天然酵母パン

ここ1年ほど、自分で酵母から起こす自家製酵母パン作りにはまっています。
パン作りが上手な友人から『「自家製酵母」のパン教室』という本を借り、
作ってみたのが最初でした。

天然酵母パン、特にハード系で酸味があり、噛み応えのしっかりしたものが大好きです。
「あそこのパンは美味しいよ」と聞けば、同じくハードパン好き友人たちと買いに行き、
いろいろなお店のものと比べながら
「これにはこっちのクリーム系が合うね」とか
「このクリームチーズとマーマレードを乗せるならこれかな」とか
品評会を開くのが楽しみでした。

お気に入りのお店はいくつかありますが、
白馬村にある「白馬の酵母パン koubo-nikki」さんは
「お気に入りは」と聞かれたら外せないお店のひとつです。
白馬の自然の中で、季節の素材から起こした酵母を使ったハード系のパンのお店です。

素朴だけれど、しっかり美味しい。
同じようで毎回違うから食べ飽きない。

「ここのパンみたいに美味しくて、毎日食べても食べ飽きないパンが作りたいな」
と思って始めたものの、そう上手くできるはずがありません。

まず、酵母が上手く起きない。
初心者でも失敗しにくい、と言われるレーズンを使っても上手く起きず、
プクプクと頼りない泡が上がるばかりです。

それでもなんとかできた酵母でパン種を起こしてみると、ちっとも膨らまない。
「2倍ほどに膨らむ」と書かれているのに、目の前の種はせいぜい1.3倍ほどです。

何度か酵母から作り直し、焼いてみたパンは、
味こそ悪くはないものの、妙に中身が詰まっていて
丈夫なアゴを必要とするくらいのハード系でした。

レーズンとはどうも相性が良くなかったので、次はリンゴで酵母を起こしてみたところ、
こちらはとても上手くいきました。
元気な泡がブクブク上がり、良い澱もできています。
「これなら!」と張り切ってパン種を起こしてみたところが、
あれ、やっぱり全然膨らまない。
温度調整が上手くできておらず、暑くて酵母がヘソを曲げてしまったようです。

そこからまた何度も作り直し、やっと普通に美味しいパンが焼けるようになってきました。
それでもちょっと気を抜くと、膨らまなかったり気泡だらけになったりと、
天然酵母のご機嫌に振り回されています。

目指すあのパンへの道のりはまだまだ遠い。
これからまた、次の酵母を仕込みます。