傘とパスケース

私は比較的、物持ちが良い方です。
中でも、傘と皮の小物は手入れをしながら変化を楽しんでいて
15年以上使い続けているものも少なくありません。

雨傘の中で一番長い付き合いだったシンプルな紺色の1本は、
それほど高いものではありませんでした。
自分で出来る手入れをしながら18年ほど使用していましたが
ついに先日、自分では修復できない壊れが生じてお役御免になりました。
もう散々使い倒したはずなのに、何だか捨てるのが忍びなくて、
しばらくは傘立てに立てたままでした。

次の新しい傘は、和物っぽい朝顔柄の華やかなものを選びました。
暗い雨の日も、開くとパッと明るい気分になれそうです。
ただ、色が明るい分、変色しやすくて手入れも大変そうなのがちょっと心配ですが
またせっせと手入れをしながら、長い付き合いをしていこうと思っています。

もうひとつ長い付き合いをしているのが、赤い皮のパスケースです。
20年ちょっと前、転職をした時に「心機一転!」のつもりで購入しました。

若くてまだお給料も多くなかった頃ですから、
やはりそれほど高い物ではありません。
それでも、デザインと持ち心地がしっくりくるのものを探し、
ちょっと頑張ってそれを買いました。

特に気合を入れたお手入れはしていませんでしたが、
それでも水濡れや汚れには気を付けて丁寧な扱いを心がけていました。
それ以来、2ヶ所ほど修理はしたものの、毎日のように使い続けているうちに
どんどん良い具合の手触りと色に変化していきました。
今ではすっかり成長して、貫禄さえ感じる存在になっています。

こうなると、もうなかなか他に浮気もしにくいですが
やはりくたびれている感は否めません。
最近は、そろそろ後継のパスケースを探さなくちゃいけないかな、
とも思い始めました。

でもまだ壊れてないし使えるし、何より愛着があるし…
と、気持ちは右へ左へと揺れまくっています。

もうしばらく、この赤いパスケースを大切に使いながら考えます。